□月 ●日  No1987 コスト比率1:4


幻想郷の家は毎度毎度修理を繰り返さないとならない。
顕界の家でもそうだが頑丈さが明らかに違う。
たとえば、柱同士の接合に金物類を利用することができない。
地震になるとあっさり倒壊するのはそのためだ。
だが圧死する可能性も低い。 とても軽いからだ。


ただし幻想郷では魔法で家を強化している者も少なくない。
これは魔術のコストより家の材料費が高いことに起因する。
足りない耐力は魔術による積載物などの重量軽減でカバーしているのが
実情となる。
だから幻想郷ではあり得ないほど開口部が広かったりする。
普通なら家が保つわけではない。


魔法使いの生計を立てるに当たってはこうした建造物の魔術強化が
結構な収入源となる。
魔法使いをやりだしたら妖怪退治より先に建造物強化魔術を覚えるのが
近道と書いてある本もある。 割りとわかりやすい。


人形遣いのアリスの邸宅はそうした魔術強化型家の典型的パターンである。
逆に魔術よりも物理的に強化することに重きを置いたのがプリズムリバーの邸宅や
紅魔館となる。要は予算次第でもあるのだが、もちろん紅魔館は、
中で暴れても大丈夫なようにハイブリッド構造になっている。
図書館にロケットを設置できたのも周辺の場所をきちんとガードできるからである。


ここまで書いて、なぜ強大な魔術を用いるはずのノーレッジ女史がいるのに
紅魔館はこんなに壊れるのかと問いたい。
問い詰めたい。勿論メイド長が怖くてそんなこと聞けない。