□月 ●日  No1707 惨事


どこかのアホが家の密集地帯で弾幕を発射したために大きな被害が発生中。
家の幾つかが倒壊したが、町の人はいつものことのように無言でがれきを
除去している。


こと幻想郷において建造物の寿命は顕界と比較すると圧倒的に短い。
顕界の場合なら40年前後での寿命を考えているケースが多いが、幻想郷だと
本当に15年程度の寿命でしか考えていない。
壊せよ作れよというのが、幻想郷の建造物における基本理念である。


理由は総じて単純だ。幻想郷の建物は破壊リスクが極端に高い。
少女の喧嘩ごときに弾幕が発射されるのが幻想郷だ。
巻き込まれて破壊された方はたまらない。


幻想郷における建築資材というのは顕界と比較するとかなり単純化されている。
防水紙はあまり使わないし、そもそも雨漏り前提で建造物が建てられている。
強固な建物と言えば紅魔館だが、こちらの建造物もしょっちゅう破壊されては
修理されている。 色を塗るのは修理場所を目立たなくするためだと聞いたくらいで
本当に破損頻度が多いのだ。


ここで問題となるのが資材の備蓄である。もっとも薬物発散を考えなくて
よいので、海外資材もガンガン用いるのが幻想郷流だ。
シックハウス症候群にならないのかと思うかもしれないが安心してくれ
幻想郷の建造物は高気密高断熱からはるかに遠い造りをしている。


というわけで、街のどまんなかで弾幕を放たれたせいであちこち穴だらけで
大惨事なわけなのだが、街の人たちはというと木っ端で蓋を閉めるだけで
補修終了ってやっているわけで、やっぱり幻想郷の住民はたくましいなと思う次第。


まあ、たまに賠償請求されるわけだが。
多分金もってそうな妖怪だからたかられないといいのだが。