□月 ●日  No2502 壊れるから市場があるとも


幻想郷の建造物の寿命はどれくらいかという統計をとってみると
これが意外と短いと言う結論になって驚いている。
顕界の場合、地域的な特性や、地震などによる劣化速度が速いため
30年程度で大きな改修または建て替えをしないといけないことが
多いのだが、幻想郷の場合はおよそ半分のタイミングで
大幅な改修を余儀なくされることが多いようだ。


幻想郷の建物の短寿命の原因はいくつかあるが、一つは万年資材不足であることが
挙げられる。資材不足ならつくりかえない方が良いと思うかもしれないが、
即ち十分な強度を持たせるのが難しいという意味なのだ。
農家づくりの家の場合だと話は変わってきて途端に数百年単位の
寿命へとなる。その場合建物そのものは柱だけが残って作り直しという
ケースが多いようだ。


しかし、幻想郷という土地柄で有利な部分も数多くある。
それはシロアリなどの害虫対策で、豪雪地域ゆえにシロアリが蔓延しにくいという
メリットがあるのだ。シロアリが絡むと家が数か月単位で相当やられるので
幻想郷では致命的である。
しかしながらシロアリは寒さに弱いことが多いので、幻想郷でシロアリが
あまり問題とならないで済んでいる。


もう一つは仕事としての理由だ。幻想郷はどうしても世帯数が限られるので
大工などの市場も一定以上は大きくならない。そこで建造物はすぐ作って
すぐ壊すのが一番という身もふたもない思考があるのだ。
しかしながら重機でざっくり解体するのではなく、素材は何度も使いまわしを
するので新たに建てたとしても古いような印象を得ることが多いのは
ご愛嬌である。


ちなみに幻想郷の建物が壊れる最大要因は空から降ってくる弾幕であることは
言うまでもない。