適当に幻想郷を散策していると建物の解体作業に出くわす。
幻想郷の建造物の寿命はあまり長くはない。
寺院など長期間建つことを前提にした建物以外はかなり短期間の内に補修や新築の憂き目に遭う。
破損の原因は概ね経年劣化であるが、幻想郷の場合は弾幕ごっこの流れ弾で破損したり
意外と忘れられがちなことだが、投げた弾幕が風に流されて、建物を破壊したりする。
こういう事故が後を絶たないのである。
金属系のものを投げるのも危険だが、貰いさびの原因にもなってこれまた始末が悪い。
さらに中には食べ物を投げる奴がいる。
これはこれで問題で、虫の餌になってしまって建造物を酷く劣化させる。
こういった問題に幻想郷住人は仕方がないと言って基本諦めているのが実情だ。
保険制度があるわけではないが、このお陰で大工などの二次産業が潤っており
手間賃が思ったより安いのは特筆すべき事である。
またDIYで修理する者が多いのも特徴だ。Do it yourselfの略で自分で修理する
という意味である。
さて、建造物の解体だが、基本的に壊したものはゴミになるのではなく
再利用するのが通例だ。
土壁は一度壊したら皆で踏んでぼろぼろにした後に水で溶くともう一度使える。
木は駄目になった部分を取ってからもう一度使う。
こうして再利用されるのである。
お金があるところはうちの会社とかできちんと直すケースもある。
自称現人神のところはどうしても文明の利器がいるので仕方なく直す。
この辺はケースバイケースだ。
また、大魔術で直す事が出来るとも言われる。
それが得意なのが意外や意外、比那名居の娘だそうだ。
普段は破壊活動大好きな困った娘だが、壊した建造物の復旧も得意らしい。
ただし
元に戻らないという。
根本的に既存建造物の構造が分からなければ彼女は自分の都合の良いように
戻すしかない。ある程度のイメージがないと修理不可能だからだ。
結果的に博麗神社の時はそれが原因で皆からボコられたという。
素晴らしい能力がありながらそれが生かされることなく、本人も多分
当面この能力を使わないことだろう。 勿体ない話だ。
まあ根本原因である弾幕ごっこを結界を張るなどして効果範囲を限定しないと
駄目なのだろうが、それが出来れば苦労ないか。