□月 ●日  No1328 御柱祭


顕界で御柱祭が開催される。
7年に一度のイベントであり、巨大な柱を急斜面から下ろす有名な祭である。


自称現人神が幻想郷に旅立ったため、依代となる人物を強引に選定した結果
浅間が代わりになるという一幕があったが今年も開催することになった。 
浅間としては巫女業が嫌で八雲商事に入ったのに話が違うと言いたいようだが
そういう会社を選んだ自分を恨んだほうがよいと思う。
もっとも会社は最初からそういう使い方を考慮して採用したのだろうが。


この祭、特性上毎度犠牲者が出る。
これでも大分マシになったらしい。かつては喧嘩の原因となり殆ど暴動同然の祭りだったそうだ。
こんな危ないことはやめた方が良いのではないかと言われるが
実はこの祭の実体が生贄の儀式としての側面を持っているという。
つまるところ人柱である。


例の神社にいるおねえさんやケロちゃん帽のカミ様は外見に似合わず
とても荒ぶるカミ様としても知られている。
カミ様と言えば本来なら単独で実体化するのも困難である。通常なら塩などを
依り代として実体化するなど回りくどい方法を取る。
一般的には巫女の身体に下りることも多い。 それがかなり危険な事であることも
認識した方が良いだろう。


私の中では、アイドル雑誌に萌えているおねえさんとか、
色気よりも食い気なケロちゃん帽のカミ様とかの印象しかないが
歴史を紐解けば人間の死者を量産している危険性の高いカミ様なのだ。
そういえば、霊能局の櫻崎から警告されたことがあったような気がする。
あのとき、いくら何でも誇張しすぎだと思ったものだが
今日の祭りで起こっている出来事を見ると洒落に見えてこないのである。


さて、浅間であるが一応自分の業務は完遂できたという。
彼女にとっては災難だが、おねえさんとケロちゃん帽のカミ様を下ろすことができる
事実に個人的には驚いた。
彼女のポテンシャルの高さを垣間見ることが出来た。
肝心の二人はいつもの様子だったと言っていた。


現代でも人の人生を引っかき回すこの二人のカミ様。
この祭が何故存在しているのかその属性を考えるととても興味深いと思う。
自称現人神は今年はやらなくて良いと言われて心底安堵していたことも記しておく。
相当心身ともに負担が大きいのかも知れない。