□月 ●日  No2020 予算はつねにかつかつ


八雲商事において財務は徹底的に管理されている項目である。
なにしろ、失敗は赦されないのだ。 たとえば八雲商事独自で不動産とか資金運用を行うことが
禁止されている。資金運用は外部に委託してリスクヘッジするという考えである。
かつて、バブル景気に見舞われ、八雲商事でも資産を持つべきであるという論調が高まったが
それに反対していたのは他でもない、隙間妖怪 八雲紫であった。


彼女の予言通りバブルは終了して資産類は目減りする結果となった。
では資産類は何処へ行ったのか。 それは研究開発による特許に化けた。
もちろんトンネル会社を用いて八雲商事の名前は巧みに隠しての話だ。


資金ショートは絶対あってはならない。
幻想郷で予算をジャブジャブ使うのではなく、ある程度自立させながらコストを
賭けるようにして不必要な費用が掛からないようにするのもとても大切なことである。


昔の八雲商事は寄附も受け付けていたという。おおよそボランティアのためと位置づけて
多くの手数料を徴収して幻想郷に流していた。現状ではそういうったことはやっていない。
収入が不安定になるし、財務情報を公開する羽目になれば痛くない腹を探られる結果となるからだ。
だから、妖怪からの資金提供もルートがはっきりしていて、かつ信用できる物、さらに
情報公開を求められないルートと厳密に決められている。


そんなわけで八雲商事は幻想郷に物資を運ぶ組織とは言っても使用できる予算は限られている。
災害に対応するための資金プールは常にいるし、限られた予算でやりくりしないとならない。
破綻して、デフォルトとか言ってられないのが幻想郷なのだ。そういう意味で常に綱渡りである。


そんなわけでうちの会社の列車が魔改造した列車ばかりになるのは致し方ないと言うことだ。
わかってやってくれ。