□月 ●日  No2027 投資しようぜ


八雲商事のメインバンクは極めて分散されている。
本来なら一ヶ所に集めた方が合理的なのだろうが、実際はそうはいかないようだ。


先ず根本的な問題として銀行を一ヶ所に集めることは妖怪とつながりが深い金融機関は
ここですと言っているようなものであり絶対赦されないことである。
妖怪は一応世間一般としてはいないものとして考えられる。
これは妖怪対策がしばしば民族主義と結合したケースを見てきたからと言われる。


銀行の関係の人は我々が幻想郷にいるためにあまりお金を使えない。
死蔵していることを知っている。そのためか運用しませんかと持ちかけてくるものがいる。
妖怪が行っているものは比較的利回りがいいというのが定説のようだ。
これは妖怪のネットワークがまだまだ健在であることを意味している。
勿論元本割れの危険もあるが彼らと万能ではないと言うことだ。


八雲商事は給料天引きで色々な部門に投資ができる仕組みがある。
岡崎は幻想郷研究部署に投資をしていて、現状で配当金を得ているのだという。
意外だったのは浅間で、彼女も黄昏酒場に投資をしていた。
もっとも彼女が酒場に投資していたのは、所謂割引券目当てである。
投資をすると投資に見合った割引券を得ることができたり、出入り禁止になるリスクが
多分に減るというのだ。彼女にとってはこれほど便利なものはあるまい。


自称現人神の核融合施設についても資金の募集があった。
この手の巨大建造物をつくるためには費用が掛かるのである。
東風谷早苗の名前でいくつかの特許を取得したらしい。おかげで自称現人神の名前は
その筋の人間からは有名らしい。
もっとも彼女は壮齢の女性だと思われているが。


私もちょっとした場所に投資を行っている。
八雲商事のスペルカード研究室である。無理だと思っているけど多少は逃げる為の
スペルカードを開発して貰えれば助かると思うのだが
考えてみたら朝倉に投資しているという事実に気づいてこうして項垂れているわけだ。
南無。