□月 ●日  No2034 新入社員がやってきたわけだが


今年も新入社員がやってくる季節がやってきた。
といっても入社したての社員が行き成り配備されてくることはない。
これからしばらくの間研修を受け、幻想郷に関するありとあらゆる知識をたたき込まれる。
ここで話と違うとか、ブラックだと言っても無駄すべてが遅い。


彼らの端末もぞくぞくとやってくる。真新しい端末にファームウェアをひたすらインストールしている。
しかしながら最近の社員はどこか冷めている。そのほうが幻想郷でやっていけるから有り難くはある。
どちらにせよ 幻想郷に行くと色々な意味でカルチャーショックを受けることになるのだ。


とは言っても、実際に幻想郷で活動するのはその中でもほんの一握りだ。
八雲商事と言っても様々なセクションがあり、ほとんど普通の商社として振る舞っている以上は
普通の営業部というのもあって、そことの温度は計り知れない。
給料も実は、幻想郷に行った方が多く貰えるが、皆は危険手当だと思っている。
慣れればどうってことないと言っている地点でマゾだと言われる。


新入社員の一人が、携帯端末を見て「これは自分の行動が逐一監視されるという意味ですか」と
尋ねてきた。もちろんその通りだと言ったら、「この会社はおかしい」と言われた。
何を言うか、いずれこの機能に助けられる日がくるのだよ。 そしてあってよかったと思うんだ。
良かったと思ったときは概ね手遅れのタイミングだがな。


幻想郷へいくことになる新入社員の割合はだいたい2割程度である。ある程度の素質を見込まれた者が
ここに来ることになるだろう。実際のところは幻想郷に行くことが業務だと知らされてやってくるのは
中途採用の人が殆どである。


とりあえず、歓迎会の酒席の予約を取るかね。おおかた出入り禁止で選択の余地はないけどね。