□月 ●日  No2035 ある男は言った ご褒美と


妖怪にとって強風は大敵である。まっすぐ飛ぶことはできなくなるし、障害物に当たると大けがを
する場合もある。これは風で飛ばされたものというより、煽られた先が岩だったり、枝葉だったり
する場合である。 空を飛ぶと位置エネルギーの保持が困難なため、風が吹くと容易に吹き飛んでしまう。


妖精も強風の場合は地上を移動するしかないと言いたいところだが、あいつらは吹き飛ばされることを
遊びと思っていて些か始末が悪い。 気をつけないと妖精が足から突っ込んでくるという展開に
出くわすことになる。頭から突っ込まないのは奴らが巧みに姿勢を制御しているからだ。
スカートの中身が飛んでいるような気がするが、はっきり言って何の得にもなりはしない。


冴月がそんな妖精がいたらガウスでぶっ飛ばすと物騒な発言をしている。
大体の場合は、隠れるとか、伏せるとかが有効である。 下手すればこっちが命を落とす。
もちろん妖精もそこそこ痛いので自分でぶつかることがはっきりしている場合は実体化レベルを
落としてくれる場合もある。こうなればこちらのダメージは最小限に食い止められる。
氷妖精だと確実に凍死なのだがこの季節では問題有るまい。


阿礼乙女の邸宅にもたくさんの空中機雷が風に揺られている。さすがに物理機雷だと、紐でも切れれば
確実に邸宅が破滅するので、そこのところのセーブがなされているのだが、彼女の家の防衛網は
色々な意味で参考になるのでセーフハウス建築の際には是非参考にしたいところだ。


そんなわけで多くの電源ケーブルが地下埋設となっているのはこの辺あたりも理由の一つである。
妖精がぶつかってケーブルが切れる事故が多発したからだ。
しかも感電すら遊びにする連中である、最悪以外のなにものでもあるまい。


妖怪にとって、風は大敵である。 なぜなら妖精達が特攻をかけてくるからだ
ちょっとでも智恵と経験さえあれば それは当然のことであると病院のベッドの上から書いてみる。