□月 ●日  No2076 這い寄れ


幻想郷に行ってますとちょっとやそっとの超常現象では驚かない体になれます。
ちょうど地震が頻発すれば地震になれるのと同じような感覚です。
多少大きくても、こんなものかと思ってしまうようになります。
それが碌なパターンを生まないのも確かです。


特に最近、不定形の恐怖というものを与える妖怪が増えておりまして、
普通の人間なら確実に恐慌状態になるのですが、アホみたいに冷静になっている自分がおりまして
正直驚いています。 それ以上に相手の妖怪が泣き出しております。
最近は不定形の妖怪もそれほど恐怖を呼ばないというのが定説のようです。


酷いケースになると、相手が笑い出すケースがあるそうです。
最近顕界から幻想郷にやってきた不定形妖怪の話では、威かすために趣向を凝らして
半年間練習の末、実用化したのですのが最初に出会った人間に鼻で笑われたそうです。
チープすぎて、今時小学生でも怖がらないと言われたとのこと。 
合成が甘いって言われたそうです。 いや映像作品じゃないのですから合成が甘いと
言われてもとても困るとは思います。


妖怪にもはやり廃りがあります。反響があったとわかると皆真似します。
最近はアニメなどを見て研究する者もいるようです。
そんなことですから、一度受けるとなればあちこちで同じ手口の妖怪が現れるわけです。
同じような妖怪があちらこちらで見かけるのはそれが理由です。
全ては流行っているからなんですね。


で、とうとう 次世代の妖怪が現れました。
これには私も驚き戸惑いました。想像してください。町のど真ん中にフリフリの衣装を着た
明らかに人種にあっていない銀髪を身に纏った人の存在を。
流石に私もこれには驚きました。色々な意味で。 



すいません。まさかこんなにあちこちで目撃されるようになるとは思いませんでした。
八雲商事社員を斃した次世代妖怪という触れ込みですが、あれは事故です。
まさかここ一週間であんなに急増するとは思いませんでした。
そしてまさか アニメ化までするなんて 想像していませんでした。
もう駄目かも知れません。