□月 ●日  No2110 幻想公共事業


幻想郷にも公共事業というのはありまして、インフラ廻りの整備とかはどうしてもやらないと
いけないことであります。 魔術で色々生成できれば苦労はありませんが、割りと単純に
掘るだけとかなら魔術で代用が可能ですがそれ以上の構造物になりますとやっぱり顕界のテクノロジが
必要になります。 当然それなりの資材も運ばないと駄目ってことで色々と大変なのです。


ところが我々にも問題が有ります。一番の問題は列車のサイズでありまして、こうした大きな
インフラ事業となりますと、列車で運べる容量を超え出すのですね。
そこで最近は大型トレーラーも幻想郷に行けるように手配しております。
これはこれで幾つかの問題に突き当たります。 


まず、こいつらを運ぶためには道路が必要です。道路を遣わないとぬかるみなどに嵌って
動かないなんて事が容易に起こります。
幻想郷で列車を利用するのは実はそれがポイントなのです。
とりあえず列車なら線路さえつくればとりあえず動くのです。道路を造るよりも線路を造った方が
工期も維持費もまるで違うのですね。
また、線路引くのも今日では機械でやってます。線路の維持はやっぱり人力と言いますか
妖怪達の力をかりることになります。


かつては大型の資材を運ぶ際は、分解して運んでその都度溶接という方法を執っていました。
今日では幻想郷入り口まではトレーラーで運んで、大容量スペルカードに格納するなんてことも
行われています。ただしこのスペルカードは構造物を運ぶのに適していません。
いいところ鉄のかたまりなどわかりやすい素材でないと駄目なようです。


そんなわけで幻想郷でも土木工事のニーズはあるものの、整備は遅々として進まないというのが
現状のようです。環境アセスメントも顕界より厳しいのでさもありなんというわけです。
自称現人神が地底に色々な設備を建造したのも結局はそれです。環境アセスメント
地上よりも緩いという理由があるからです。
もちろんインフラなどの理由もあるのですが。


ちなみにこの手の工事を受け持っている土蜘蛛の一団なのですが、最近談合で色々揉めているので
もう少し何とかして欲しいところ。この辺は顕界とあまり差異がない話であります。