□月 ●日  No2118 3人も養えません。


三馬鹿達が喰っていくためということで怪しい商売をはじめた。
廟にあったはずの宝物の大半は、ゾンビ製造元である仙人が盗んでしまったことは
分かっている。もっとも彼女だって中にいる主が復活するとは思っていなかったので
同情の余地はあるのだが。


三馬鹿の商売と言ったら廟に残された数少ない品物を見せて少額のお金を得ることであるが
元々過去の知識で生きていた彼女たちの就職先も満足に用意できない状態で
エンゲル係数だけが少ないことが唯一の救いという有様は続いていた。
八雲商事がどうにかすればいいのではないかと思ったそこの君は、そんな予算は何処にもないという
悲しい現実を紹介したい。


とはいえ喰えなくなって困窮から脱出するのにさらに必要な投資額が倍増する事態は防ぎたいため
とりあえず金になりそうな能力を持っている奴に狙いを定める。


いない。


風水を操る能力はどう見ても顕界向きのの能力でとてもじゃないけど扱いやすい代物ではない。
同時に人の話を聞くことができるとかいう能力は確かに便利かも知れないが、問題はそこに
解答できるだけの顕界や幻想郷の情勢をわかるような情報が足りないのだからこれも
あまり良好ではない。


そこでどうしたか。
三馬鹿の1人電気を発生する幽霊にインバーター装置を付けて、電池を充電するという代物を
河童に頼んで用意して貰った。 もともと自称現人神の家で使っているインバーター装置を
譲って貰った形だ。


彼女から発生される電気は直流電気であることは分かっている。
最大1000Vまで対応できるという太陽光発電に用いられる市販のパワーコンディショナに付けて
そこから最大1500ワットの電力を手に入れることができるようだ。


八雲商事製の電池なら30分程度で急速充電できるとあって、端末充電のために結構な妖怪が
やってくるようになった。 例えばカメラの電池を補充したい天狗や、八雲商事の社員などが
出入りするようになった。 金額はそこそこではあるが、その辺は丁度良いあんばいの
価格設定となった。


これにより定期的なお金が入るようにはなったが、なにぶん電気幽霊も疲れることこの上ないので
あまり虐めないようにしたい次第。最近三馬鹿一名が幽霊の態度がさらにでかくなったというので
とりあえず就職しろと言っておいた。 とりあえず飲食店辺りか。