□月 ●日  No2148 自然コンサルタント


魔女と呼ばれる存在がおりまして。まあ、要するに仙人みたいな暮らしをしている人なのだが
こういう人が基本的に林業をやったり環境保全をやったりしていまして、実はとても重要なポジションにいることも多いわけでして。
こういう人は概ね、神を信じていない場合が多いのです。 
理由は簡単、こういう人は本当の神がどんなものかを知っているからです。


子孫を残すために殺し殺されることは自然の摂理であり自分だけが助かろうという思想をもって
接すれば必ず報いが来ることを知っているからであります。


大体のパターンですが神の名のもとにと言って無知な人が入って、魔女を追い出してしまうらしいのですね。
酷い場合は殺してしまうことすらある。 ところがこの魔女が神に近い位置にいるいわゆる巫女みたいな
存在だという事実を大体の方は知りません。
それで魔女を追い出した後に環境が壊される現象を魔女の呪いとか言って恐れるのですね。
こうなると大体この集落は全滅確定となります。 


って話を幻想郷にいる某神からお聞きしました。面白いのは複数のカミが全く同じ見解を持っているということであります。
注意しないといけないのは自分が信託を得たと言ってカミの代弁者を気取ることであるといいます。
本当のところそんなことをすれば本当の意味の破滅が待っているのですが、これも人の選択だから仕方ありません。


一つ言えるのはこの幻想郷はこうしたカミと交信できる本当の巫女または魔女の避難所として機能させようとしたということです。
幻想郷にとって隔離環境を成り立たせるためには魔女の自然環境に関するノウハウがのどから手が出るほど欲しかったという
事情があります。 だから魔女たちを勧誘したり、避難所として名乗り出たりしたものだそうです。
もっとも、それは多くの場合上手くいかなかったといいます。
多くの魔女がその土地と共に消えてなくなることを望んだりしまして、なかなか集まらなかったということです。


この話を総合いたしますとノーレッジ女史というのは珍しいタイプの魔女ってことになります。
もっともヴァンパイアの主人がノーレッジ女史が行っていた林業や治水のノウハウを理解するくらいの頭があったという
ことでございまして、紅魔館に彼女がいるということはそういう事情があるのだということですね。
 

最近ですと紅霧異変そのものも幻想郷内部の異常高温から生態系を守るための行為だという研究結果も出ている次第です。
彼女が暑さ対策をやめた瞬間、博麗神社が暑さでうだるようになったのもそういう理屈だったというわけですね。