□月 ●日  No2170 足りるもの 足りないもの


幻想郷における死因のトップクラスと言われているのが虫歯と盲腸だと言われるのは意外と有名な話。
薬屋が来るまでは盲腸を薬で散らすなんてことも出来ず、そのまま死ぬのが普通だったりする。
八雲商事の薬を使えばいいのではという意見もあるが、我々には薬はあっても診察する医者がいない。
人的資源はいかんともしがたいというのが実情だ。


もちろん町の開業医などが幻想郷で第二の人生とか一旗揚げるなんてこともある。
妖怪たちを診察しているうちに八雲商事の名前を聞きつけた開業医なんてのもいる。
かつては医療に関する重大な発明をしておきながら幻想郷に行った人間もいるわけで色々とわからない。


虫歯については博麗の巫女に頼めば結構な割合で治療してもらえる。
ただし、これについても埋める技術などがまだまだ不完全で、最終的には埋める必要がある。
神経をきちんと焼切るので痛みはほとんどなく、最終的には歯が抜けるらしい。


薬屋についても万能ではない。手術は皆が言うほどうまい訳ではないし、第一時間をとるから色々厳しい。
彼女の専門はやっぱり投薬治療なのだ。投薬でけりがつく事例が多いから助かるわけだ。
意外とできるのが、月ウサギである。実は外科手術については彼女のほうが上手いという話を聞く。
実のところ、ウサギの兵隊において野戦病院の設営は結構重要なものでありまして
どちらかというと彼女も戦闘というよりメディックの類なのではないかと思う時がある。


結局我々も、医者の人材不足はいかんともしがたいものがあり、乳幼児の死因は驚くほど高いのが
実情である。これはこれで負の恩恵があるのだが、それはそれでよいかもしれない。
いずれにせよここで取り上げるのもどうかと思うので想像にお任せしたいと思う。