□月 ●日  No2169 飛ぶのもめんどくさい


顕界にいる妖怪は空を飛ばないのかという意見が散見されますが、なぜそうしないのかは割と明白でありまして、
公共交通機関を使ったほうが楽という身もふたもない理由が挙げられるわけであります。


空を飛ぶというのは慣れればどうってことがないですが、要は自転車に乗るような身体的負荷がかかります。
まったく負荷がゼロってわけではありません。気を付けないと本当に墜落します。
意外と忘れられがちですが、幽霊とかも同様であります。空を飛ぶというのが実は意外とコストがかかる。
人魂はどうなのかっていいますと、おおむね幻肢というのがありまして、その霊魂が感じているコリジョンというのがあるのですね。
だから、連中が空を飛んでどうこうってことはなかなか難しいです。
よく人魂が人間の目線で飛んでいるというのはそういう事情があるからなんですね。


なので顕界にいる妖怪は空を飛ぶのもめんどくさがります。
運転免許証を持っている妖怪も普通にいます。糞狸は、八雲商事に自動車止めっ放しで糞迷惑です。
なんで止めっ放しなのかと尋ねると、駐車料金がかかるからという驚くべき理由がつきます。
たまに走らせるようとも言われているので、ちょっとした用事のときは借りる時もあります。
ちなみにハイブリッド車です。


長距離を移動する場合は霊能局に尋ねると、最近はやりのオスプレイとかが借りられます。
よく見るとそいつも妖怪なんですけどね。 この辺借りるのはわりと色々運べるからでありまして
変化できる妖怪たちがその手の輸送機のところで研修しているなんてこともよくある話であります。
この場合は燃料は外部から調達がメインになります。あくまでメカニックの再現にとどまるのですね。


普通の妖怪にはこんな面倒なことをやるより、さっさと普通の乗り物のったほうがいいという結論になるのですね。
幻想郷の住民はろくに道もないし、ろくに交通機関がないから空を飛んでいるのです。
楽に移動できるのなら無理して飛ばないのですね なーむー。