□月 ●日  No2196 外科手術


幻想郷で病気になると、どうしても問題となるのが緊急医療の問題。
結論から言えば幻想郷で緊急医療が必要な病気はまず助からないと思ってよい。
脳溢血や心筋梗塞の類などは治療するのは不可能と言っても良いだろう。
この場合幻想郷ではぽっくり逝ったと説明される。仕方ないのだが、幻想郷の医療というのはどうしても限界があることは
ここからもわかることだろう。 薬屋の治療法も概ね投薬に制限され。対応できる病にも限界はある。
外科手術は薬屋も対応外である。


例えば盲腸なんていうのは薬で散らすことが出来なかった頃は完全に不治の病である。
かつては盲腸と診断することも困難で、切るなんてもってのほかだった。
現在では投薬で散らすことが可能になってきたが外科療法はいまだに発達していない。


対応する流れもある。
外科手術に関する資料を顕界から持ち込み学術的レベルを上げさせるというものだが。
重要なことは基礎学力の問題だ。つまるところ、幻想郷の住民にはまず医療知識を身に着けさせるための
基礎的学力が不足している。幻想郷の知識層が、顕界のしかも自分の言語圏でないものを翻訳するのは
些か困難である。 
八雲商事の端末で、簡易的な翻訳は可能だろうがニュアンスが変わればとても危険なのは
誰もが承知していることだ。

 
最近だが、輸血については割とめどが立つことがわかってきた。
なんと寅さんが輸血法というのを持っていたのである。本人は宝塔の奇跡によって輸血が可能だと言っていたが
実態は、宝塔からは放射されるガンマ線を用いて血液内部の白血球を不活性化するもので大変理にかなったものだ。
所謂戦争屋と言われた時期が彼女にもあったそうだが、案外幻想郷に外科手術の道を開くのは
こちらなのかもしれない。