□月 ●日  No2200


八雲商事で新しい端末が出ると、皆で押し付け合いが始まる。
通常なら新しい端末が出回れば新し物好きが大騒ぎするのだろうが、こいつを命綱にしている社員はたまったものではない。
第一新しい端末はどんなバグが潜んでいるかわからない。 処理速度とか格納容量が増えたとかいろいろあるけど
みんなあわてて端末更新しないといけないって訳じゃない。


第一朝倉の態度を見れば大体わかる。彼女とて、いや彼女だからこそ信頼性を気にする。
彼女がコスプレをしてまで魔術を使うのは確かに外見的な変身願望もあるが、それ以上に動作信頼性を上げる為である。
動作信頼性を上げるプロセスで、違うデザインになってしまうこともありこれが彼女の外見の残念さを醸し出す要因に
なっているくらいである。


しかも今回の端末は携帯電話メーカーの助けを借りて一部携帯電話のアプリケーションソフトも動くというのだが
まったくもって蛇足である。
こんなものを入れるくらいなら、バッテリーの持ちを増やすための機能増強のほうがずっとありがたい。


今回発表された端末もとても微妙な姿をしていた。 八雲商事の端末はいわゆるタッチ式であり、所謂タブレット端末と言われている。
端末は大きなモニターと複数のボタンになっていて、スペルカードの実行もこちらで行うことができる。
スペルカードが都度ダウンロードできるようになってからは相当便利になったが、ダウンロードしている
時間の間に戦況が変わることも多く、本部からプッシュダウンロードも可能だ。


容量は一度に運ぶ容量に応じて複数ある。一般に容量が大きいほうが人気がない。
長期滞在頻度が増えたり、バッテリーの持ちがわるくなって、複数バッテリーを取り換えるしかない。
しかも耐衝撃のケースに入っているからバッテリー切れが近づいたら 可能なら残バッテリー30%くらいでの
交換が必須である。


バッテリーの充電は、会社で行うか、それともモバイルソーラーで行うことも可能だ。
こちらは丸一日太陽光を充てる必要があるが、とりあえず一回分の充電が可能なすぐれものである。
こちらのものは顕界の技術を惜しみなく投入しており好感がもてる。


それにしても今回の端末は色々と微妙なようだ。結局くじで決めることになったが、
当たってしまった、浅間が目に涙を貯めていて、結局メリーが交換するも(SIMカードを入れ替えればよい)
なぜか私が悪役のような目でにらんでくるのだった。 交換したいのか。 ひどい話だ。




     
     



結局強制的に交換させられた。
付属のゲームおもしれー