□月 ●日  No2237 レストア

 白玉楼の主人から謎の依頼。ゾンビ製造元(一応仙人です)を呼んでほしいという依頼。
こいつに遭うためには一回死なないといけないような気がするが、横で聞いていた朝倉から通用口を使えばいいと言われて
唖然とする。ちょっとまてや、俺都度死んでるじゃないか。


 ゾンビ製造元に話をすると二つ返事でOK、亡霊に興味があると言われてそれはそれでどうなんだと思いつつも突貫。
よくよく聞いたら、知り合いなんだそうでうちのルートでつれてくればそれなりの待遇になるでしょうとの事。
うちらはタクシーじゃないんだよ。


 白玉楼の主人と言えば妖怪プルトニウムの塊みたいな言われ方をしている困った亡霊である。ゾンビ製造器と
死体製造機といったところかどっちも碌でもない。だが彼女の恐ろしさは割と違うところにあると思う。
とても妖艶なのだ。
接触したら確実にクレジットが減るだろうが突っ込みたい奴はけっこういるらしいというか、割とそのパターンで
命を奪われている人が多そうである。彼女の能力は一種の勧誘みたいなもので、男性にはあの世でハッピーライフ
持病も治ります。 女性には美しさが自由自在と念をあてられ命を奪われるのだとか。 
大体あの手の生命力を奪うアルゴリズムは総じて単純な精神攻撃という話もあるのでむべなるかなでである。


 そんな彼女だが、伺うと実に教育によろしくない姿をしている。御庭番がいなかったら危なかったところだが、
実はクレンジングの途中なんだそうで、なんだ、そういうことかと勝手に納得する。
死体であってもお肌年齢は気になるらしい。正確を期すると自分の体はイメージ体のようなものなのだが記憶と
共に劣化することがある。
そこで、ゾンビ製造元がその辺の情報を補完することで肌などをよりみずみずしいものに、よりエレガントなものにするというわけだ。


 ゾンビ製造元がムキムキマッチョにするためのオプションを用意していたが、とりあえずカタログから外しておく。
実際には体を閉まらせるためのもの主にお腹まわりをよくするのが目的なのだという。割と面倒な話だ。


 処置することしばし30分。
とりあえず処置は完了したというのだが、御庭番と私の意見は違いが判らないの一言だった。
騙されたのではないかというが、本人は大満足なようでよくわからない。
とりあえずこの一件で御庭番も私の同志であることが判明したが、うちの会社のお局たちの話をしたら
処置なしと言われて結構落ち込んでいる自分がいる。