□月 ●日  No2240 さむくなりました


尸解仙というのは一種の精神体であり、自由な姿になれるといいますが
自分が知らない素材は再現できるわけがなく、これから寒くなるにあたって防寒着の提供は必須事項になるわけで
あります。
命蓮寺の連中はその点楽で、乾布摩擦でカバーだとか体育会系まっしぐらなお蔭で冬服というものをあまり意識しなくても
よかったりします。
地味に一輪嬢がカイロ使っていることは把握済みであります。


さて、三馬鹿たちの冬服なんですが、何が凄いって、結構みんな必死に選んでたんですよね。
みんなというのは三人じゃなくて周囲の連中ばかりなのですが、たとえば耳栓は冬仕様に改良。ふわふわになっている
とか。服装もいくつか用意されていて、それらを選択するのも手間であります。
服装はたくさんなくては豪族ではありませんと言われて、仙人もどきの子も必死に選んでいるわけでありますが
まあ、選んでいたのは結構フォーマルな、悪く言えばババくさい服でありまして、見ていた明羅女史が一気に
コーディネートしなおしたりと結構カオスな光景が繰り広げられたりしました。


結局、できた服装を鏡に映すのですが、高解像度の鏡を見たことがないらしく大騒ぎしてまして、たまたま
美容室用の高解像度鏡をもってきたので余計に綺麗という状態であります。
それを利用すれば姿を調整して同じ姿でも寒さを調整できるのですね。結構便利な仕組みです。
ちょっとややこしいのですが、要するに服装を着ていても服を着ていないのと同じにできる仕組みというやつです。
夏場は結構便利らしいです。


最近は足がない人向けのファッションというのも増えていまして、幽霊だからというわけなのですが
実のところ彼女は足を作ることって結構簡単だったりするのですが、そうしない理由はおいおい語ったほうが
いいかもしれません。
ヒントは身長差だったりします。技術の進歩で亡霊たちも足を復元することくらいわけがないのです。
ただ、それをすると腰を痛めるそうなので難しいところですね。


そんなわけで三馬鹿たちの冬服が5パターンづつできたわけですが、着せ替え人形のように散々服を着せられた三人は
へとへとになっていたのでした。 お疲れ様。