□月 ●日  No2239 いきたあかし


 綿月姉妹が月面の本を譲ってくれるという話になり、いそいそと貰いに行くことに。
月面だから書籍は電子化しているのかと思いきやこれが結構物理的な本が多いのに驚かされる。
この理由は意外と単純だ。電子情報は保持期間が短すぎるのだ。基本的に電子情報は
集積情報であり不安定であるというのが基本である。
そこで延々とデータを残すとなれば石や紙を使うのがよいということになる。
 そこで本は孫コピーを繰り返しながら、分散して保存が良いということになるが、月面も永遠ではないことを考えれば
幻想郷にコピーをいくつかでも置いておくのが有利であると考えるのは自然な考え方だと言える。

 
 しかし、本を受け取り、それをスペルカードデータ形式に記録するも物質解像度不足で結局転送に失敗してしまった。
この本を格納するにはどうやら現状のスペルカードでは保存できないと言われて唖然とする。 
 どうしたかって、物理的に運びました。最初からそのつもりだったと言われてはっとしたが、
ウサギの軍隊はやっぱり軍隊でありてきぱきと荷物運びを行う。私は格納場所を選ぶだけという状態だった。
食糧を運ぶ列車を掃除してつくったインスタント移動施設だ。 
運ぶケースにも防御措置は施されているがこれくらいやってもらうとありがたい。


 こちらとしても本を転送する先を決めないといけない。相談して分散して保管することに決まった。
一か所は紅魔館の地下、さらにもう一か所は永遠亭に、そしてうちの施設ということになる。
解読屋が博麗の巫女に発見されたことが問題視されたが、紅魔館の地下も似たような状態ではないかと
デスマシン妹君に指摘された。本を守る業務を手伝ってくれると言われたのでとりあえずゴーサインを出す。


 しかしこの調子で、果たしてデストロイヤーどもから本を守れるのだろうか。
結局さらに保存先に魔界を追加したうえ、パンデモニウムにも本を保存することにした。
まあこの辺は負荷分散というかコストをあっちがもってくれて助かったと思っている。
難儀な話だ。