□月 ●日  No2249 さむくなってきました


冬が近づきかなり寒くなってくるとどうしても夜がきつくなるものである。
特に幻想郷では布団の入手が難しく、藁を利用した布団を使うなど多数の工夫が必要になる。
当然顕界の布団と比べると眠りづらいというのがある。


妖怪たちはその点の問題をあまり感じない。連中はそもそも夜更かしだからだ。
もっともその理由も基本的な部分では夜の寒さは起きてしのぐためと言えるのかもしれない。
妖怪たちでも寒いのは寒いのである。


農家の場合だと藁を敷き詰めたところに寝転ぶという選択肢がある。
意外とこのやり方が最強だったりする。布団を蹴っ飛ばすリスクもない。
一緒に眠っている虫とか猫やらが飛び出す場合もあるがこれはこれである。


八雲商事社屋だと構造がやはり構造なので結構暖かい。
常時建材不足の幻想郷の情勢を考えれば、隙間風に耐える必要もない。
幻想郷の住民から言わせたら贅沢だと思われるかもしれないが寒いものは寒いのだ。
たまに顕界に戻ると今度は暖かすぎて面食らう場合がある。


幻想郷住民が夜通し宴会するのは寒さを忘れる為という話を聞くが
これは結構むべなるかなと思われる。
ただしお酒に弱い連中がこの宴に参加すると、確実に中有の道へ行けるので注意が必要だ。
一人妖怪と添い寝状態で大丈夫だったという役得ケースがあるが、別の死体と
一緒に寝ていたことが判明し、まあ、それはそれこれはこれである。


余談だが、天狗たちの新聞はこうした寝落ち組のために使用される事実くらいは
知っておいた方がいいだろう。