□月 ●日  No2265 浅間伊佐美との出会い


私が浅間伊佐美と出会ったのはあるビールのイベントの日です。
この日、いろいろな銘柄のビールの試飲ができるというので数多くの人が集まっていました。
そこに異変が発生したのです。 


当時私はこのイベントのキャンペーンガールとして参加していました。
八雲商事の仕事の傍らでコミュニティに参加していた私はひょんなことからイメージキャラクターとして
チラシを飾ることになったのです。特に露出度の高い服を着るわけではなかったので私としてはあまり問題ではありませんでした。


そこに異変が発生したのです。
それは古い麦酒工房から運ばれた機材だったと思います。その中に何かが封じられていたということでしょう。
よくあることです。一つの仕事を行ってきた道具がそとの空気に当たって妖怪になるケース。
自分が捨てられたと錯覚する為といわれますが、実際はそうではありません。いわばその道具の晴れの舞台です。


実体化した妖怪たちに恐れをなしてみんなが逃げていきます。
本当は自分が生み出すお酒が飲みたくて萃まるひとたちに気付いた生まれて間もない妖怪はみんなの退路を塞ぎました。
もちろん悪気はありません。お酒を飲んでもらいたい一心でそうしたというべきでしょう。
周囲の人たちは恐怖で震えています。


そこに現れたのが浅間さんということです。
実は私の会社にいると知ったのは後のことですが、妖怪たちに恐れもせずに話を聞いてきます。
5分くらいで話が付きました。 お酒を無料で配布するので帰らないでくれという意味にされていました。
お酒を飲ませたい一心で客寄せしたことになっていました。 たぶん違いますがそうなりました。
実体化しましたが ただのサプライズになりました。
だれかが立体映像だと言いました。 そういうことになりました。


事態を聞きつけて明羅女史が来たときにはとっくに怪物の姿はなくなっていました。
自分は捨てられるどころか自分目当て出来ている人がたくさんいたことに驚いてあわてて姿を隠したのか
はたまた本当に立体映像なのかはわかりません。



浅間さんはこの事態を納めた功績をたたえられてその後黄昏酒場に招待されたというのですが
そのあと降りた事例を見る限り合格したというのが妥当のようです。