□月 ●日  No2279 撃墜王


八雲商事というのは米帝にも支部がありまして、八雲商事本部から注文された商品を現地でかいつけて
コンテナに積み込むという仕事をしております。中途半端な販売量の場合はこのやり方で十分です。
そこの現地法人の話。


米帝にも妖怪は出現するのですがあっちの妖怪は結構豪快です。
小さいのもいますがでかいのもいる。国土が広いから自分たちの存在を誇示するために巨大化する
ことも多いらしいです。外見はどうしようもなく間抜けでありますが。
相手はいたってマジです。


民間の幽霊退治屋というのもあるのですが手におえない場合は大きなところがケツ持ちするらしいです。
軍隊出せよという話もありますが、餅は餅屋という視点だと思っていましたが、通常兵器で戦って
被害が出まくればそっちはそっちで大問題というとんでもなく嫌な理由がついているみたいです。


こういった大型妖怪を片付ける会社にカクタスカンパニーという会社があるのですが、
今回現れたマショマロモンスターは普段と違っていました。高さ30メートルという超巨大ながら、
地面は被害がない地点でこの妖怪が大型質量を空に浮かす程度の能力があることがうかがい知れます。
カクタスカンパニー社対妖怪ミサイルMiMiが炸裂しているのですが十分なダメージを与えているようには
見えません。ぎりぎりのらいんで軌道が変わっているように思えます。


その時です。上空から巨大な錐のような物体が轟音を上げながら出現したのです。
最初は飛行機雲だと思いましたが、飛行機雲自体が降り立っているようにも見えます。
そう、これこそカクタスカンパニーの切り札。撃墜王と言われたミス雲居なのです。


錐がマショマロモンスターの前を駆け抜けたと思った刹那。マショマロモンスターは
数百メートルまで吹き飛ばされます。錐は拳の姿へと姿を変えていました。
拳を起点に巨大な人間が構築されていきます。顔の姿が現れようとしたとき
マショマロモンスターから放たれたマショマロの塊が襲い掛かろうとしていました。
実にいい匂いです。


いい匂いも当然でした。マショマロは巨人に当たる前に焦げて落下したのです。
そのままマショマロモンスターの体を薙いで行きます。
一部ビルの一部が破壊されましたが、何とかなる範囲です。
跡には真っ二つになったマショマロモンスターがじたばたしながら残されたのでした。


撃墜王の活躍でマショマロモンスターは倒れました。
後日、幻想郷の人に尋ねると、彼女は聞いたこともない言葉を発して
ちょっと行ってくると言って寺を後にしたらしいです。