□月 ●日  No2348 もう少し遅ければ危なかった


朝倉からラブホに誘われていよいよ腹を括るしかないのかと思ったが、なんてことなかったぜって話。
顕界で幽霊が出そうなところとか祟られそうなところは、だれも土地を取得しようとはしませんが
そういうのに敢えて建物を建てる場所があります。それがラブホであります。
ラブホといいますと結構な確率で謂れがある土地と言わざるを得ません。


ではなぜラブホがそういう土地に建てられるのか?
これはすなわち性行為とは祭事であることに他ならないからです。
実際幻想郷でも祭事の添え物になっておりまして、とてもありがたいものと考えられているのです。
つまるところ、ラブホの建設というのは土地を鎮めるための要石のような役割を
果たしているというわけです。


しかし、毎度毎度同じような手段が通じるわけではなく、たまにそれが
地雷となって激高するタイプの幽霊とかが出るのですね。
その時はいよいよ退治するしかないというわけです。
朝倉一人で行けよと思いますがカップルのふりして相手の出方を待たないといけない。
それでくじをしたら負けたというのが今回のしだい。


このままでは私の貞操が危ないので行為に至る前に出現していただきたいところ。
思わず入場した時は早く出ろ早く出ろと念じてましたが、そうなると
相手も警戒するようなので雑談しながら周囲の出方を探ります。
そして、ついに朝倉がシャワーを浴びる段階に。違う意味で心臓がばくばくします。
このタイミングで幽霊に襲われるとちょっとシャレにならないからです。


一緒に入るかと誘われましたが丁重にお断りました。はい。


ええ、テレビのスイッチがいきなり入ったり 不意に電気が消えたりします。
しかし幽霊の気配はありません。いや、いました。
中有の道で利用するメガネを利用して彼らの意思を伝えます。
朝倉 今すぐ風呂から出ろと。


お蔭で有難いものは見られたのですが、要するにこの幽霊 お風呂で漏電が起こっていたのを
一生懸命警告していたのです。 
そのあと電気保安協会に連絡して事なきを得ました。


あとでこの幽霊には感謝状がでることになりました。
しかも幸せを呼び込む幽霊がいるということになって売り上げに貢献したうえ
祭壇までできたそうです。 なんというか退治するって話はどこへ行ったという
手のひら返しですが、これもこれでアリだと思いました。