□月 ●日  No2376 時代はローテク


それこそめったにありませんが、八雲商事にもネットワーク障害が起こることがあります。
もっとも問題が起こっても短時間で問題が解決することが多い上に、幻想郷に慣れてますと
どちらかといいますと監視されなくていいやヒッッホイのほうが勝る場合があります。
ヤバい場所にいるとき除く。


最近の妖怪たちは結構話が分かる連中が入ってきて助かりますが、逆に言いますと顕界の
思考形態のままでやってきている妖怪でもあるわけでそういう妖怪がうちの端末を触らせてくれと
せがむ場合があります。最近では命蓮寺にいる一輪嬢にでも頼めば古いうちの機種よりもはるかに
高性能かつ、高速なインターネット体験が可能とあって、最近はあまり相手にされなくなりました。
そんな命蓮寺で大騒ぎが発生しました。
どうも霊能局で大規模ネットワーク障害が起こったらしいです。


一応ですが霊能局と八雲商事のネットワークは別系統で管理されています。変な話ですが
八雲商事の方がローテクの構造をしています。良くも悪くもローテクなので
障害発生時は結構便利です。回線もうちの方が複数バンドが使えるようになってまして
急に遅くなると、ああ、どこかで回線吹き飛んだなってわかるんですね。


それで、霊能局なのですが、あっちは地味にパニックです。
なにせ外の世界との通信が途絶したのですから仕方なし。
それでたまたま、納品にきたうちに泣きつかれました。
朝倉を呼び出して、事情を話すと問題発生を確認したとあります。
ビックデータを削除したとか頭の悪い障害だそうです。


それで河童たちがやってくるまでの間命蓮寺にいて端末をつかわせていましたが
やれ遅いだの、古いだの、エロ画像は保存していないのかなど色々ないわれようで
大師様はどういう教育をしているんだと本気で思いました。
色々目のやり場にも困りました。一時的とはいえ乙女に囲まれますからね。


結局小一時間位で引き継ぎをして、バイパスを組んだわけでありまして
後は任せたわけですがちょっとした役得だったのではと後になって
思った次第であります。