□月 ●日  No2523 ゾンビ遠征 Z


死体が動くということでゾンビが顕界ではとても流行っておりますが、
幻想郷でゾンビを動かすのはとてもハードルが高いと言われます。


そもそもゾンビの素晴らしいところは汎用性です。
舞台を変えても基本使いまわしが出来るので、たまにロシアが舞台なのに
夏服を着たゾンビが登場します。お前らいったいいつ渡航したのか突込みを
入れたくなりますが、これも検疫がしっかりしている顕界ならではというところです。


さて、幻想郷のゾンビ事情はどうなのかという話ですが、実質ゾンビみたいなやつらなら
枚挙にいとまはありません。しかし大体の妖怪が生体のまま保存していると言うのが
特徴であり制約でもあります。幽霊とかの場合は肉体を持たずに不定形霊魂か
仮に体を持っていても生体活動を行っているのが殆どです。


邪仙であるゾンビ製造元はその点において特異な存在と言えるものです。
といっても、彼女もまたゾンビというには防腐処理などをかなり厳格に
行っているので、技術面では人形遣いのアリスに近いと言うべきではないでしょうか。


なぜこんなにまでうるさいかと言いますと、この時期匂うからです。
腐ってしまえば腐臭はしますし、ウジも湧きます。
碌でもないことになるし伝染病も媒介します。
幻想郷で伝染病が蔓延すると本当にどうしようもないのですね。


それにしても、いくら労働基準法がないからって、今は遠征しても
ゾンビを輸出するご時世なんですね。
彼らは楽しそうですけど。