□月 ●日  No2560 焼菓子異変


幻想郷で謎のクッキー大量発生。今のところ食糧が増えた程度の認識とはいえこの数は異常だ。
いや、異常というレベルを超えている。うずたかく積みあがったクッキーを掘っていけばその中は
もはや重量で形状を保っているとは思えないクッキーと言う名前の物体が横たわっている。
その数ざっと数百万枚はくだらないと思われる。どれもが均質な味だと妖精たちは言う。


妖精たちが倒れないのを確認した幻想郷住人たちがクッキーの採集を行いだした。
クッキーは焼き菓子なのでそこそこ日持ちする。時間が経てばしけってしまうので取り出すのは
表面の状態のいいクッキーばかりとなる。
時間が経てば下の方は大惨事となるだろう。


既に河童たちがうずたかく積みあがったクッキーを壊しにかかっている。
これだけ大量にあるクッキーだが、処理しても処理しても量が増え続けているではないか。
当面は、幻想郷内部の保存食としてある程度分けるとして、これ以上は産業廃棄物の
扱いである。即廃棄が望ましいだろう。


それにしてもこのクッキーの処理には時間が掛かる。
処理しても処理してもクッキーは増えていく。いやクッキーが増える速度の方が早いのではないか。
これはもはや異変のレベルだが、肝心の妖怪が観測されない。


朝倉によればこのクッキーは弾幕の一種だと言う。
弾幕を発生させている元がどこにいるのかわからないが、
少なくてもクッキーの発生源となっているポータルを発見することはできた。
クッキーが常時押し出されており無茶苦茶だがこのままではクッキーで幻想郷が滅びてしまうだろう。


中間管理職狐の活躍によりポータルは埋められ、クッキーは食い詰めた妖怪と言うより人間に
配布された。すぐ飽きるかと思いきやクッキーを食材にした創作料理が流行ったことだけ述べておく。
それにしても恐ろしい弾幕である。
幻想郷に出現したら相当の脅威となるだろう。