□月 ●日  No2573 幻想世界と税務


幻想世界に物資を運ぶシステムがなぜ、ボランティアっぽくなるかって話を聞くのですが
対価を直接もらうときに色々と問題が発生するのですよって話。
八雲商事は物資搬入ではたぶんほとんど儲かっていないのではないかと思っています。
公共性が高く、我々が利益を得ようとすると幻想郷が容易に破綻するからです。


しかしながら実際のところはもっと別の問題がありました。
幻想世界で微妙に面倒なところが税制であります。いわゆる消費税の類がそうで、
仕入れるときは消費税はかかりますが、幻想世界にそのような概念がないのですね。
これすなわち、税金が上がるとそれにともなって我々の取り分が減るということなんです。
あっちからは消費税なんて取れませんからね。


昔は物品税があったので楽だったのです。贅沢品に税金をかけるって話ですけど
これは新製品が動き出すスピードが早まる現代ではあまり有効な法律では
ありませんでした。しかし我々にとっては得でもありました。贅沢品は幻想入りなんて
しないのです。つまり我々は消費税を払う必要がなかったわけです。


消費税が導入されまして我々の取り分は大幅に減ってしまう結果になりました。
これは仕方ない話です。その頃には八雲商事も違う方向で利益をえるようになっております。
幻想世界にあるオーバーテクノロジーを金にするというものです。
オーバーテクノロジーと言っても我々に観測できるのはヒントくらいなものですが
それでも全くの手探りよりずっと効率はいいです。


このように幻想世界において顕界で起こる様々な政変は地味に幻想世界に
影響を与えているものだとご理解いただければ幸いです。