□月 ●日  No3033 捜査


 事務所件自宅で早速構築される結界を目にして雷子と口論する。
 ここは私の事務所であり、そこの書庫には私の捜査記録が入っているのだが
 頑として聞かない。なんというじゃじゃ馬を呼び込んでしまったのだ。

 
 気を取り直して今回の事案を整理してみる。
 幸い私は芸能界にちょっとしたコネがある。と言っても彼らが行っているパーティ関連に
 人数調整として顔を出している程度なのだが、色々な有名人があそこには集まっている。
 私自身この伝手で結構な仕事を紹介してもらっているので助かっている。


 友人にパーティに出たい旨を話すと、すぐに手配してくれた。
 こういう時は情報収集したいか、それとも営業活動をしたいかどちらかであることは
 あちらも重々理解しているのである。

 
 ここで重大な問題が発覚。
 雷子がパーティで着る服がない。こっちだって一張羅は一着しか無くて苦労しているのに
 妖怪とはいえ普段着というわけにはいかない。
 仕方なしに近所のショッピングモールに行ってなんとか着れる服を探そうと提案すると、
 その必要はないと不敵な笑みで返されてしまった。
 

 そう、彼女は妖怪なのだ。姿を変えるとりわけ服装を変えることなど容易いし
 ショービジネスの中にいたのだ。どのような姿でいいのか理解しているのは彼女の方だった。