□月 ●日  No3038 問題は給料を払い続けるほど収入がないことだ


 ストレージの中のファイルを精査。
 あっちは一度切りのアクセスを許しただけらしく、こっちはデータのコピーが失敗しないよう
 祈りながらの作業となった。自分の携帯電話内ストレージにデータを保存しておく。


 本日の案件 
 先日の突入時内容の録音を聞きながらテキストに書き起こす簡単なお仕事。
 なのだが、これがかなり事務的にやらないと、酷いことになる。
 雷子に来客関連の受付をさせるべきか悩む。というのもこの作業、ヘッドホンを付けてやらないと
 色々まずい。内容が内容だけに特にマズイ。


 雷子は色々物入りのようで、いざとなったら時給で雇ってくれと煩い。
 仕方がないので、OKを出して受付だけやってくれと頼んだら、
 その日の晩には事務所がクリーニングされていた。おどろくべきことにチリ一つ無い。
 まるで清掃業者が入ったような感じ。
 日当で金をくれと言われたので少々色を付けることになった。


 もしかして彼女、助手としてはかなり有能なのかもしれない。
 もし、音楽家の人に実体化して現れたら、確実に身の回りの世話をさせるレベルである。
 一応資料関連のたぐいもあったのだが、資料は確実に避けて掃除をしているところがニクい配慮だった。


 信じられないほど捗った形で仕事完了。
 ふとたばこを吸って吸い殻入れを見たら吸殻入れも綺麗になっていた。
 いつの間に、いや、何かがおかしい。
 謎は程なくして解けた。彼女静電気などを利用して、ゴミを浮かせて処理していたのである。
 それってゴミを吸い込む可能性もあるような気がするのだが、それでも有能であることはかわりない。
 恐ろしい話だ。