■月 ●日 No5127
魂魄は嘆息した。
朝倉から満面の笑顔で自ら使うコスプレ魔術のAPI化を連絡してきた。
まさか使えというのか?誰が悲しゅうてスカートなどを履かないとならんのだと
文句を言ったところ、その辺については男物アレンジがなされているとのことで
そこまできちんと作りこまれていたのなら、諦めて使うしかないって状態である。
コスプレ魔術の基本挙動はAPIから関数を呼び出し、関数のパラメーターを
順番に適用することで利用できるが、体調や体重、体型までもが取得され
わりときちんと服に着替えられる。ん?これって?
少し使って気づいた。これ衣服店いらなくねってことだ。
もちろんまったくゼロから生成するとべらぼうにエネルギー資源を浪費する。
そこで使うのがリサイクルショップで売っている衣服である。
こいつをかき集めて専用シューターにぶち込むだけで衣服の基になる。
もちろん何でもと言うわけではないので、ある程度の仕分けや、
不足分は反物を通販で購入してぶち込むだけで、簡単に自分の衣服を用意できる。
早速値段が高い背広や礼服をメインに生成。
こいつは便利だ。しかも魔術で生成しているわけでないから
解除される心配がない。正確にはエンチャントだけが消えて
衣服はそのままと言うオプションがある。
これなら使えると文句なく言える。エンチャントを抜きにしても十分便利だ。
これは岡崎も同様らしい。
岡崎の奴はこの魔術を使って洗濯すらショートカットしているらしい。
洗濯しないでシュート、そこから新しいジャージを生成する。
流石すぎる。これなら縮む心配がないからだ。 上手いわ。