幻想郷の医療風景 シーボルトのはなし

 ◎月 ◇日  No226 死と医療より


 幻想郷ではたらくひとたちでは毎回ちょっとした歴史的事実を元にした小ネタを忍ばせておりますが
 ホウ酸と盲人のエピソードもこのひとつです。
 ここにおける薬屋の元ネタとなったのが ドイツ人医師シーボルトです。
 鳴滝塾を開業して高野長英・伊東玄朴・小関三英・伊藤圭介を指導しました。
 まぶたに目やについて目が開かなくなったお年寄りをホウ酸による消毒治療で開けられるようになったという
 ことで彼は「奇跡の人」と言われるようになります。


 しかし、彼の本職は「内情探索官」いわゆるスパイだったです。
 当時国家機密であった日本地図を国外に持ち出そうとしていたところを当時の江戸幕府に発見され
 国外追放処分になりました。 これがシーボルト事件です。
 その後ペリーの来航 開国と日本は激動の時代へと移行していきます。
 シーボルトは最終的に開国した幕府の顧問に就任し開国後の対外交渉の前線に立ちました。
 日本を紹介する本を刊行したり日本の医学の発展に尽くしたシーボルト
 なんとなく薬屋の今の境遇に近いと思いませんか?
 
 
 幻想郷ではたらくひとたちにおける薬屋は月からもスパイの疑いをかけられていますが
 主人公もスパイではないのかと疑っているというわけです。
 それが違うのではないかというエピソードは別の日記に書かれております。