魚毒性と幻想郷の検疫システム


 本編でもよく出てくる魚毒性 これは水棲生物に対する毒性を示したものです。
 たとえば除虫菊からも抽出されるピレスロイドと呼ばれる殺虫成分は蛙や両生類などに
 強く作用することが知られています。 哺乳動物などはほとんど影響がありません。
 幻想郷ではたらくひとたちでは魚毒性を示す殺虫剤の導入に規制がかかっています。
 たとえば田んぼに暮らしている妖怪や八百万のカミ様に影響がでることを警戒しているのです。


 幻想郷でペスト流入のエピソードを紹介しましたが、ここで出てきたドンネル先生の正体は
 北里柴三郎先生です。 ペストの病原体を発見した人で知られ、野口英世も北里先生の
 門下生だったことが知られています。 そのほか狂犬病の血清開発にも携わり
 その功績は日本細菌学の父と言うにふさわしい存在です。
 北里先生はその後、北里研究所を創立 さらに慶應義塾大学医学部の創立に尽力し
 初代学部長になります。


 本編では北里教授の功績により幻想郷にいる白狼天狗たちの命が救われたとあります。
 私立伝染病研究所は当時福沢諭吉の資金協力によって建築されたとされていますが
 もしかするとそこには妖怪達のカンパがあったのかもしれません。