□月 ●日  No1311 おまじないと思うなかれ


暖かくなってきたので、適当にぶらぶらと散歩していたところ柱に御札を
貼っている人を発見する。妖怪よけの御札かなと思っていたら少々違うようだ。
付近を妖怪が移動しても特に反応している様子がないからである。


興味が沸いたので直接貼っている人に聞いてみる。
すると、シロアリよけの御札という答えが返ってきた。


本来シロアリ避けの御札なんて効くわけではない。シロアリはあくまで地下から上がって
食べられそうだと判断したものなら何でも食べるのがセオリーだからだ。
だから基本的にシロアリ対策は忌避剤と殺虫剤の混合物を木材に吹き付けるのが
セオリーである。 


幻想郷だけに幻想入りした薬剤を使うことも理論上可能だが環境破壊が酷いので
利用することができないのは書いたことである。
幻想郷に持ち出せない薬物リスト第?種だったかに当たったと思う。 
環境ホルモンがどうとかという意味があったはずだ。


本当に御札が効くとは思えないので、香霖のところにその辺のところを聞きに行くことにする。
我ながら暇だが、どうせやることがない。
お金を渡して譲ってもらった御札を持って行く。
具体的にどういう意味があるのかは彼に聞いた方が早い。


香霖に聞いたら真っ先に指摘されたのがこれが夢幻館で作られて売られているものだと
いうことだった。夢幻館と言ったら風見女史のいるところである。
柱を食べたら風見女史がどつきに来るという意味なのだろうか。そんな御札なら
自分に貼れば結構威力があるのではないかと思う。


実際はそんなものではなく、この御札自体が防虫効果があるのだという。
はて幻想郷にそんな防虫効果があるものがあるのか。 それがあるのである。
この御札には浸透性の除虫菊の成分が織り込まれていることがわかった。
除虫菊は顕界でも利用されている虫の殺虫忌避剤である。


実はこの御札。ただのおまじないではなく本当に虫に聞く代物だったわけだ。
香霖の話しによれば本来なら柱の下部につけないと意味がないらしい。
便利だから夢幻館から譲って貰って欲しいと言われたが、色々怖いので
善処するとだけ応えておいた。


それにしても幻想郷のグッズはこういうのがあるから中々侮れないと言えるだろう。