幻想郷によくあるものと言えばやっぱりシラミだろう。
シラミというのは人間の毛髪とか、陰毛に潜んで吸血を行う甲虫類である。
夜ばいがはびこる幻想郷では、色々なパターンでシラミを貰ってしまうことも
多々あってそのたびにあちこちを掻いている光景を目にする。
妖怪たちであってもシラミの問題は厄介ごとのようで、人目をはばかりながら
股を掻いている妖怪たちを目にしたときもある。いやあれは妖怪とは違うか
いずれにせよ物凄い形相でにらまれたので誰とは書かない。
シラミの原因はもっぱら不潔によるものだが、シラミ除去のノウハウが少ないのも
幻想郷にシラミがはびこる原因だ。 殺虫剤がないので対策はもっぱらお風呂になるが
公衆浴場が近くにないと一週間に一、二回しかお風呂に入らない。もっとも不足分は
行水でカバーしておりどうしようもなく不潔というわけではない。
妖怪たちはむだ毛処理を欠かさない。 大変驚くべき事なのだが
ほぼ毎日処理している。 カミソリも必需品で香霖堂ではカミソリ研ぎで
それなりに収入を得ることができるくらいかなり普及している。
もちろんこれらはケジラミ対策の側面が強くある。
うちの会社でシラミを貰ってしまう困った人が結構いて困る。
遊郭ではシラミ処理が徹底されているので、なにかよからぬ事になっている
ことは間違いない。
たいていの場合は発覚して、博麗の巫女たちに妖怪退治のついでにお仕置きされる。
さて、シラミを貰ってしまった妖怪たちがどこへ行くのか
シラミ対策シャンプーを薬屋に納品するついでに、シラミ退治のエキスパートに
会わせてもらったわけだが、それはやはり虫妖怪であった。
シラミに交渉して立ち退いて貰うという地道な作業であるが、これがかなりの
高収入らしい。 そういえば虫妖怪は妙に高価な衣服を身に纏っていたが
収入を聞いて当然のことだと納得した。
中にはかなりの大物妖怪に住んでいるシラミを除去した実績があるらしい。
余談だがシラミは不純異性交遊のシンボルであり、貰ったら最後
まず疑われるのが浮気で、結界の外同様に修羅場が繰り広げられることになる。
股を掻いている妖怪を見つけたら見なかったふりをして頭から消去することが
賢明であろう。
