□月 ○日  No602 消防訓練


現地法人で消防訓練
一応、スプリンクラーが設置されていても、いざとなったときは慌てず騒がず行動するために
こうした訓練はきちんとやらないといけない。が、正直かったるい。


数分の遅れとともに消防車が乗り入れてくる。 消防の人はここが幻想郷だと知らないらしい。
隊員の人がトレイに灯油を入れてそいつに火をつける。それを消化器で消火する訓練である。
今回は河童達にも参加してもらうことになった。
河童達は物珍しそうに消火器を見ている。 消火器の説明を聞くと、まるでものすごい発明を
見ているかのように目がらんらんと輝いていた。


私が見本を見せることになった。 なんてことはない。 ピンを引っこ抜いて火元に向かって放射するだけ。
粉が発射される音に河童達は驚いていた。 消された火元を見てあふれる拍手。
消防士さんが困惑した顔をしている。 私とりあえず謝る。


河童達が消火器を解体しださないか気にかかる。 消防の人からそうやすやすと解体できないといわれので
安心しきっていたら、消火器に一生懸命穴を開けようとする河城河童を発見。止めに入る。
消火器を取り上げようとしたそのとき、消火器に開いた穴から粉が吹き荒れる。
あたりは真っ白け。 みんなでゲホゲホと咳をして 違う意味で大パニックになった。


気を取り直して連絡訓練。 火災報知器を作動させて実際さながらに訓練。
河童達を抱きかかえるも重すぎて腰にくる。 彼女が重いと言うよりたくさんある工具が重い。
かといって捨てると訓練後に殴られること請け合いなので我慢する。


スペルカードが暴発したときの対処方法も説明。 スペルカードは長くても3分程度しか発動しないので
対抗策をとってもあまり意味がないのだが、いわゆるスペルカード中和カードなるものを実際に遣う。
霊撃と呼ばれる力場を仮想的に作るものでほんの短時間だが相手のスペルカードを無力化できるらしい。
結論から言えば無理だ。身を隠すのに手一杯でカードなんか発動する余裕もない。
素直に逃げた方がいくばくか安全であるってことはわかった。


訓練の後に残った大量の粉を掃除するだけで数時間かかった。
消火器なんてものは何度も使いたくないものだが、それなりに有意義な出来事だったと思う。