はっきり言おう。 幻想郷最強の美女集団は間違いなく鬼だ。
鴉天狗なんか目ではない。もちろん高水準の美少女はいるが、鬼達の前ではまだ甘い。
鬼娘達は平均値がやたら高いのだ。
もちろん私の好みという意味であるが。うちの会社にはいったら
一度でいいから東欧系美人の鬼達をみて損はないだろう。
彼女たちは基本的に筋肉質でモデル体型である。
角がなければ顕界でモデル業ができること間違いなしである。
博麗神社に住んでいる鬼娘もその片鱗が見え隠れする。
しかし彼女たちのファッションセンスはお世辞にも趣味がいいとは言い難い。
そもそも彼女たちにとっては動きやすい実用的な服装が重要であって
うちの人間と打ち合わせした時も、すったもんだあって
最終的には白玉楼にいるお庭番が着ている制服のモデルとなった学校の
体操着なんかを支給しているというのが実情だ。
一度でいいから地上にいる妖怪たちが着ているようなフリルのついた
少女らしい服装にしてみたいのだが、彼女たちの腕力を考えると
とてもお勧めできそうにないのが悲しい。
この日もジャージ姿のなんともずぼらな格好で応対してきたので
正直もったいないと思っていた。
スカートの中にはブルマーを着用しているのだが、実はその衣服の中に
幻想郷ならではの謂われが隠されていることを朝倉に教えてもらった。
ブルマーとは元々女性運動家がユニフォームとして着用していたものらしい。
米帝の南北戦争に始まる女性の主権運動は、姿形を変えて女性の社会進出や
母の日など様々な影響を与えたことが知られている。
その壮大なうねりはまさに怪力乱神と呼ぶに相応しいものだったそうだ。
鬼達の服装をよく見てみると、ブルマーの上にわざわざスカートを穿いている。
これはファッションのためではなく、運動家ユニフォームの形式そのものだそうだ。
運動家の服装としてのブルマーは数年ほどで幻想になったが
その当時の謂われはそのまま鬼達に継承されたという。
鬼達の衣服はそれ自体大きな意味があるわけだ。
このように幻想郷に住んでいる者たちの衣服は一見すると
趣味が悪いように見えて色々な意味合いが存在している。
鬼達に可愛い衣服を着せるのは諦めて改めて勉強しないといけないと悟った日であった。