□月 ●日  No738 覚えて損はないこと


空飛ぶ少女が多数生息する幻想郷。
そこで飛行する人や妖怪たちのガイドラインというものが一応ながら存在する。
ここでは空中飛行する妖怪たちの生活の知恵が隠されている。
それはもう、間抜けなくらいに。


手元にそのガイドラインを記した紙が置いてある。
筆者は隙間妖怪とある。
たとえば救急活動時の搬送高度とか、通りすがる際の優先順位など
まるで自動車における運転マナー教本みたいな内容だ。
以前も取り上げたが、明文化されているものを見るのは初めてだ。


この時期だと暑さ対策が重要になるが、例えば雲が流れるのにまかせて平行移動すると
涼しいとか熱射病になりそうになったら減速しながら雲に飛び込んで躯を濡らすのが有効とか
そんな感じの智恵だ。
なるほど妖怪たちはこうやって空を飛んでいるのかととても感心する。


墜落時に森に飛び込むと最悪の事態を免れやすいとか
台風に吹き飛ばされてしまった場合の対策も書かれていた。
慌てず騒がず、風の吹く方向に足を向けて、減速しながら下降するとのこと。
スカートがめくり上がって偉いことになると思ったら
それ自体もエアブレーキとして利用するらしい。
顔に浮遊物が飛んできて激突するのを防ぐためのようだ。


妖怪たちの衣服は一般的に寒さ対策を優先するために厚着でかつ通気性が悪い服を着ることが多い。
そんなとき困るのが「あせも」だそうだ。
弾幕ごっこの時痒みを催したら、かゆいところに弾幕を掠らせるとよいという。
なお場所によっては上手に隠しなさいともある。 理由については言及するべきではないだろう。


そして一番興味を引いたのは、催したとき。
高度を上げて雲に飛び込んでからするなどが紹介されていた。
とりあえず言えることは、もう雨に濡れるのはやめようということだった。


特に天気雨の場合は注意されたい。
先日雨に濡れたことを思い出して吐き気がおそってきたのは言うまでもない。
なお固形物の場合は素直に着陸するそうだ。
鳥類型妖怪除くとあったが、それは断じて認めたくない。 認めてはいけない。