□月 ●日  No744 休みの日くらい掃除しろよ


夏休みである。 盆休みに休むことができないがこうして時間差で休みを入れるのである。
この時期、うちの会社の妖怪社員も幻想郷へ里帰りする。
ある者は妖怪の山でバカンスに、ある者は三途の川で涼しい時を過ごし
ある者は自宅に帰って掃除やら身辺整理をする。


朝倉は今更不便な幻想郷に帰るのは嫌だとぼやいていた。
しかし彼女の家を守る式神たちの動作期限を更新しないといけないようだ。
気乗りしないかも知れないが、行くしかないようである。


朝倉がバックに詰めているのはたくさんのバッテリーだった。
小型発電機を持って行きたかったようだが、燃料の入手が難しいことを知るや
どこからか大量に買ってきたようだ。
一度外の世界で便利な生活に慣れると結構大変なようだ。


明羅女史は休日出勤を繰り返しているようだ。阿礼乙女が気になるらしいが
ワーカホリックが酷いと思う。 本当は家に帰るとファンが大挙して待っているかららしい。
河童達は、河に潜ってバカンスを楽しんでいるらしい。
鬼は地下世界に戻って家族サービスに精を出しているそうな。


朝倉の家にゴミを引き取りに行く。不機嫌そうな表情の朝倉が
大量にたまった書類やゴミを出してきた。
しかも見ている暇があれば手伝えと言ってきた。
あなたの手伝いをしても何かしらお礼が来るとは思えないのだがなぜだろう。


箱の中には出来損ないのスペルカードやら魔導書が入っているらしい。
ノーレッジ女史や人形遣いのアリスが見たら大喜びで引き取りそうなものだ。
おそらく成分無調整なので発動させたら大変なことになりそうだ。
一応、発動時に警告文が出るそうだ。 こんなやばいものはさっさと処分したい。


素直に燃やせばいいだろうと思ったが、とりあえず埋めることで処分することにする。
こんなことをするくらいなら、さっさと死体運びに委託して魔界で燃やしてくれた方が早いと思う。


埋める段になって箱の数が少ないことに気づいた。
オンバシラの影が見えた気がしたが、見なかったことにした。