□月 ●日  No774 畳掃除


秋の長雨の季節。
この時期博麗神社をある異変が見舞う。


博麗神社が改築されて畳が全て入れ替えられた。
瑞々しい青畳は寝転がるととても快適である。
が、瑞々しい畳だからこそ最初の数年はカビが生えやすくなるのだ。
今まで古い畳を使っていた博麗神社にとって畳のカビは未知のトラブルである。


巫女は最初お祓いでどうにかしようとしていたようだが少しも改善しないのでやるのをやめたとか。
そこに偶然自称現人神が通りかかり我々が呼び出された次第。
そんなカビ対策に投入されたのは私と浅間。 ポリタンクを持っての突入だ。


目的の場所は良い感じで青カビの巣窟になっていた。
恐らく巫女が水を含ませた雑巾で拭いたためだろう。
これではカビに餌をやるようなものだ。
カビ付の雑巾で別の場所を拭けば余計に状況は悪化するのである。。


ポリタンクに入っているのは無水エタノールだ。
浅間が口にエタノールを含んで周囲に吹き付けている。
かなりきた もとい ものすごい光景だ。
雑巾にもエタノールを染みこませて拭いていく。
この作業でカビはだいたい姿を消す。


だが、これだけでは不足なのだ。
空気中に滞留した胞子を綺麗にしないと駄目である。
そこで朝倉が作った風祝のカードを使用する。
私が実行すれば大した効果は現われない。
所謂掃除機みたいな効果が出る。


しかし所詮はカード利用に慣れていない人間
あっという間に疲れてしまった。 自分も能力をスワップできる八卦炉が欲しいと
本気で思ってしまった。
見るに見かねた浅間が自分も手伝うと言う。
疲労で思考力が鈍っていたため「うん」と言ってしまったのが運の尽き。


浅間が実行したカードは超吸引力で余計なものを色々吸い込んだ挙げ句
途中で詰まってしまったのだった。
結局、最終的にゴミがたまる麻袋をまさぐって
吸い込んでしまったものを取り出すより他がなかった。
かび臭いわ、凄い色になっているわ最悪だった。


洗って元に戻したが大丈夫だろうか?


最後は逃げるように博麗神社を後にした。