□月 ●日  No944 幻想特産品


博麗神社の運営について相談。
どうしても賽銭が増えないらしい。
顕界の神社なら絵馬を売ったり色々なものを売ることができるのだが
売ったとしてもどうにもこうにも売れない。
うちの会社の人間が歯痛対策の祈祷でお金を支払うことが多いというくらいである。


なぜ商品が売れないのか?
そもそも幻想郷に、銘菓の類が殆ど無いことが関係しているからのようだ。
銘菓の類がないということは買うという習慣がないということである。
それじゃ売れるわけがない。


そもそも幻想郷は特別な理由が無い限り外貨を稼ぐことが出来ない。
外貨を稼ぐ必要がなければ稼ぐためのアピールも要らない。
従って幻想郷で生産される様々な品物類は、殆どが生活必需品で占められおもしろみは殆ど無いのだ。
「ここでしか買えない」という売り文句もあまりつかない。
空を飛ぶことができる妖怪が多い幻想郷では、ならばすぐに持ってこいで終わってしまうからである。
変な物を作るという方法もあるが、御利益がつかなくなる問題もある。なかなか難しい。


例の神社みたいに色々なことを手広くやるととても助かるのだが
博麗の巫女は面倒くさがってやらないのも問題だ。
そういう話を魂魄にしたら、積極的よりマシと言われた。
悲しいかな博麗の巫女が積極的になるということは破壊活動が積極的になることを意味するらしい。


とりあえず当面は赤字でも、何か行動を起こしてトラブルを起こした事を考えれば
何もしない方がマシということになってしまった。
思考停止にも程があるが、博麗神社の現実を知る上では良い出来事だと思った。