□月 ●日  No997 蛙のなぞ


しかしそんなことはどうでもいい。
今日、白玉楼のお庭番からケロちゃん帽のカミ様が主人と日々猥談をしていると苦情が来た。
子孫がいるのだから仕方ないだろと言ったら、実験台にされる身にもなってくれと言われた。
何とかしてくれと言われても非常に困る。


ケロちゃん帽のカミ様と言ったら幻想郷でも超VIPクラスのカミであることは今更説明するまでもない。
デスマシン妹君と違い隔離されていない上、どちらかというとフレンドリーに接してくるので極めて始末が悪い。
身を守るという基本に立てば可能な限り関わらない方が得策と言えるカミである。


あまりに恭しく応対したら、もっと気楽でいいよと言われた。
言いたいことは理解できるが、粗相の無いようにと朝倉たちにしつこく言われているだけにそうもいかない。


とにかく彼女に関しては色々謎が多い。
信仰が減りつつあるから幻想郷に来たんだと本人は説明しているが、はっきり言って神鳴る力を行使するには
殆ど支障がないくらいの信仰は常に確保してきたカミである。
しかも神社の維持には莫大な税金が投じられてもいた。
それでもなお彼女たちが幻想郷に行ったのは別の理由があるのではないかと思っている。


一つ言えるのは幻想郷で進行を得られるという確証がないまま幻想入りしたとは考えにくいということだろう。
つまり最初から進行を得るという目処は立っていたということだ。
自称現人神にその辺の事を聞いてもまともな答えは得られなかった。
おそらく彼女は何も知らないのだろう。


なにしろ彼女は隙間妖怪を出し抜いて核融合の力を奪取したり
地下に潜って何やら工作活動をした形跡もある。
うちの会社はたしかに彼女たちと接する機会が多いのだが、私でさえ
地下で行っていた一連の行動は捕捉できなかった。
朝倉は仕方ないと言っていたが個人的にはかなりぞっとしたのを覚えている。


というわけで、彼女をどうにかするのは難しいと言ったら
一遍斬ろうかと言われてしまった。
ただ、一つ気になるのは、月の都の話題でやたら盛り上がっていたという話であった。