自称現人神の羽振りがいいので、参拝客が増えたのかと尋ねたら
捨てようと思った古本が高く買い取って貰えたらしい。
どんな本なのかと尋ねると古いファッション誌だった。
妖怪たちも女の子。可愛い服を着たいと思うのは当たり前だ。
妖怪たちをアウトレットモールみたいな大きな店に連れて行けば
おそらく一日中いるに違いない。
可愛い服が欲しいと思うのはどこも同じと思って良い。
霧雨のご息女が紅魔館から盗む本の三割がファッション雑誌という。
ノーレッジ女史があまり興味がないので盗みやすいという事情もありそうだ。
しかしファッション誌の注文があるかというとそうではない。
ほぼ皆無と言って良い。
根本的な原因は衣服生成の魔法が高難度であることが挙げられる。
失敗すれば衣服がキャストオフされるほか、転送先によっては
下手をすると相手を殺す可能性もあるのであるのだからたまらない。
そしてそれほどの使い手は数限り有るので、どうしても本類は
特定の人との取り合いとなるわけだ。
そう言う話を自称現人神にしたら案の定のっかかった。
とりあえずファッション誌を入れてくれと言われたので
本を数冊取り寄せてみる。
到着 そして配達
そして朝倉からハリセンで殴られた。
適当に買ったのはいいが、巨大化した髪型を紹介した雑誌が
なぜかおねえさんの逆鱗に触れたらしい。
何故逆鱗に触れたのかまったくわからず
ただ殴られた頭が痛かっただけだった。
魂魄が自業自得だと言っていたがどういう意味かさっぱりだ。