□月 ●日  No1058 橙色の応援団


人形遣いのアリスから苦情。 
とある人物まき散らす騒音で相当迷惑を被っているらしい。
彼女の大道芸は人形を遣った演劇である。
そこに押しつけがましいラッパと笛が鳴り響く。
喜ぶのは彼女のダンスを見る男ばかり、そう彼女の名はオレンジ。
幻想郷随一の大道芸師である。


彼女の仕事は幻想郷で生活する人を応援することである。
応援と言っても物質的な応援など色々あるのだが、彼女の場合の応援とは
応援団的応援に他ならない。 
まさに体育会系そのものであり、顕界でも十分やっていける間違った
ポテンシャルを持つ。


とりあえずオレンジに交渉を持ちかける。
しかしながら彼女の芸風を考えると巨大な音を鳴らしてナンボである。
だが、オレンジの話を聞いたら人形遣いのアリスが文句を言う本当の
理由が見えてきた。
彼女の応援は魔法をジャミングしたり加速したりする特性があるらしい。
一方、人形を動かすのは細かな制御が必要である。
本人は騒音のせいで人形遣いに影響が出ていると思っているが
能力の特性によるものだというわけだ。


人形遣いのアリスにその辺の話をしたら手をぽんと叩いて成る程と言って
納得してくれた。 魔力ノイズを遮断するように術を構成すれば
問題が無いと言っていたが詳しいことはわからない。


阿礼乙女の話では、実際に氷妖精を応援すると、アイシクルウォールを
回避するために前に出た相手を一撃で粉砕することができるという。
つまり彼女の応援はスペルカードをEasyからHeadまで引き上げることが
出来ると言われている。 
昔、幻想郷の主導権を握ろうと妖怪同志で戦争が起きたとき
彼女の争奪戦が始まり沢山の血が流れたらしい。
結果オレンジは月との戦争でも彼女は中立を保っていたという。


弾幕戦にはめっぽう弱いが幻想郷には補助型能力を持つ妖怪が
結構いることを理解すると良いだろうと思う。
余談であるが八雲の式である橙の衣服はオレンジの服をモデルにしたものであるらしい。
元気をもたらすタイプの妖怪としての謂われを付加するためと言われている。