□月 ●日  No1074 銭投げスペルカード


死神の小町嬢がなにやら身を屈めて何かを拾っている。
手伝おうとしたらものすごい顔で睨まれた。
胸の谷間を見ようとしていた訳じゃないんだ許してくれ。


拾っているのは古銭の類 どうやら放った弾幕を回収しているようだ。
実は弾幕というのは魔法で全部生成するタイプと砲台だけ生成して物理的に
飛ばすタイプと二種類あることが知られている。


個人的にはどっちが飛んできても殺傷力は変わらないと思うのだが
後者のほうが色々と厄介ではある。 どちらかというと費用面で。


というのも物理弾丸型はどうしても弾薬代が嵩みやすい。
たとえば、例の神社にいるおねえさんが粥を放つのはコメを放ったら自称現人神に
泣かれたからと言われる。 丁度ギリギリの食生活最中でコメを投げたそうだ。
ちなみにそのカード一撃のコストで映画ビデオの新作二本は買える。


霧雨のご息女の費用も深刻だ。 彼女が盗みをしないといけないのは
それだけ魔法の維持費が掛るからである。
触媒を必要とする彼女の場合のコストはかなりきついものがある。
第一非常食にもなる弾幕なんてどういうニーズがあるというのだろう。


意外とコスト高なのはなんと言っても博麗の巫女であろう。
お札は印刷で作れないのだ。 これのいわんとしていることは一つ。
思った以上にコストが高いのである。
しかも巫女は使い捨てでお札を回収しないときている。


ちなみに月の都での狼藉の後始末は我々がやった。
綿月妹にどれだけ謝りたおしたのかもはやわからない。
いいからいいからと言われたのがせめてもの救いだった。


死神は手慣れた手つきでお金を回収するとようやく口を開いてくれた
どうやら谷間を見られて怒った訳じゃないらしい。
三途の川に落ちたお金は 毎年行われる泥攫いで見つけることになっている。