□月 ●日  No1097 客寄せパンダ


そろそろ倉庫内に不良在庫が貯まってきたので処分方法を検討する。
河童達が自分の作った物も在庫処分しようと画策しているので付き合うことにする。
バザーでも開こうということらしいが何か情報化社会ならともかくこの幻想郷で
噂を広めるのは何かと面倒だったりする。
天狗を利用すれば手っ取り早いのは間違いないのだが、手っ取り早い反面
碌でもない形で伝わることも多いので多用は避けたいところである。


とりあえず何か判りやすい目印を作ろうと言うことになり、
例の神社にいる自称現人神に智恵を借りようとしたら生憎留守だった。
すると奥からケロちゃん帽のカミ様が私に任せなさいと言うではないか。
VIPの申し出に駄目というわけにはいかずプランBとやらが実行されることになった。
何となく嫌な予感がする。


しかしカミ様のプランはこの上なく現実的なものだった。
巨大アドバルーンをつくろうということになったのだ。
しかしアドバルーンをどうやって飛ばすのか
嫌な予感の通り、やっぱり灼熱妖怪がやってきた。


ケロちゃん帽のカミ様がアドバルーンのデザイン画を持ってきた。
あまりといえばあまりのデザインにしばし硬直する。
「最高でしょ」と言うカミ様の言葉に力無く「最高です」と答えるしかなかった。


後で気づいたのだが水蒸気であげるよりも核融合の副産物で放出される
ヘリウムガスを詰めた方が効率が良いのではないかと思う。
気づいたのは灼熱妖怪を炉心にした専用鍋が出来てからだったので
今後の課題ということにした。


ケロちゃん帽のカミ様はこのアドバルーンになんか変な名前を付けていたが
悲壮とかなんかあまり縁起のいい名前じゃない気がする。
果たしてこれで大丈夫なのだろうか。