□月 ●日  No1106 強盗がやってきた


配達活動をしていていつかは被害に遭うと思っていたこと。
初めて強盗に出くわした。 正直妖怪の脅威にさらされてばかりのせいでこっちも危機感がなかった。
実際幻想郷の強盗は、野郎ばかりを狙うらしい。
理由は単純、女の子を狙うとかなりの確率で妖怪で、逆に殺害されるからである。
さすがの妖怪も襲ってくる人間に容赦する義理なんてない。


私はどうするのかというとやはり逃げの一手なのだが、さすがに相手も生活掛かってるわけで
簡単に追い詰められる。
一応外部と通信しているので時間さえ稼げば救援はやってくる。
救援が来た後どうなるかはいまいち保証できないのが怖い。


相手の顔を見ないようにしながら相手の要求を聞く。
大体の場合は金目の物を置けという内容である。 
相手の顔を見ないのは顔を知られると途端に殺される可能性が増えるからである。


荷物に目を下ろしつつ、配達内容を一個一個説明する。
一番金目になりそうなものから説明。 相手が短気な人の場合は有効である。
何処に持っていくものだと聞かれたから正直に回答した。


「紅魔館」と。


相手の反応がおかしくなっているのはよくわかる。
正常な反応だ。 荷物が相当ヤバイものだと判ったらしい。
とりあえず持ち金だけでいいと言われた。 明らかに要求がトーンダウンしている。


最後は身の上相談になったところで援軍がやってきてとりあえず引き渡すことになった。
なにか色々切なくなる出来事ではあった。