□月 ●日  No1107 妖怪とやり合うコツについて


久方振りに風見女史に贈り物を届ける。 中身はどうもお菓子の類らしい。
風見女史は意外と甘いもの大好きで知られている。

 
さて、基本的に私自身大物妖怪に対して、おそるおそる対応しているように日記で書いているが
実際に私に会った人は恐らく違う印象を受けるかも知れない。今日はそんな話。


大物妖怪でも何でもそうだが、妖怪と接する上で重要なことがあるとしたら、きちんと
ハッタリを利かせることだと思っている。 
すなわち不安なところがあってもそれを察知させないことが重要である。 
相手に媚びへつらうのは愚の骨頂だ。
信仰の対象となっている妖怪たちも数多く、そんな態度には慣れている。

商売の世界では売る側も買う側も基本は対等である。
なにしろこちらは営利企業だ。 幻想郷に物資は届けているが対価はきちんと取る。
それが結果的に幻想郷を維持するのに必要なわけだ。
援助とは違う点を理解しないといけない。 援助は身につかない。 ボスの言葉だ。


だからあくまでも自分はどんな妖怪相手でも対等に接しないといけない。
時にはそれが自分の身の丈を遙かに超えるときがある。 だがそれに対して日記で愚痴ることが
あってもそれを見せるのはまずいと思う。


勿論対応は妖怪によって変えないといけない。
基本的に頭がちょっと弱いと呼ばれる妖怪の場合は腰を低く構えることが必要である。
媚びに対して心地よいと感じる妖怪たちだ。
信仰を集めていない初期型のカミや妖怪に多い。 
ただし氷妖精のように頭が悪いようで直感が優れている者もいるので注意がいる。
状況に応じて使い分けるようにするべきだ。 
ちなみに灼熱妖怪は対等に接して構わない。 どうせ忘れる。


風見女史相手の場合はあまり腰を低くすると結構つけ込まれる。
対等にしかし極端に居丈高に出ないようにしないと駄目だろう。
妖怪との対応法は会社のマニュアルにも結構記載されているが、いつも会社と通信が
行われているのでそれを参考にするのが安全である。
妖怪と接するというのはたしかに大変だが本質的には人間相手の商売と変わらないことを
理解できればそれでよい。