□月 ●日  No1125 空中給油


発掘船が空を飛び出したのはいいのだが,いろいろと問題が噴出している。
今日のミッションは空中補給である。 雲山先生の手引きで列車を発掘船の横につけて
食べ物や、飲み物などを補給する。 
実は、録に食料を積まないまま飛びだってしまったため、数日で乗組員を養うことが出来なく
なるらしい。 そうなると、色々な意味で危険な状態に陥ってしまうだろう。


毎度のことだが空飛ぶ列車というのは慣れない。
妖怪の山の一部をカタパルトにして飛びだつのだが、
空力で飛ぶわけでもないこの列車が落ちれば確実に空飛ぶ棺桶なわけで本気で怖い。
荷物の積み卸しは雲山先生がやってくれるそうだからあまり心配する必要はないと思う。


予定通り船とドッキング。 中を見せて貰ったが、木製のように見えるが間違いなく
偽装された物であることは間違いない。 ここの操縦はムラサ船長と名乗る娘が一手に引き受けている
というのだが、つまるところそれだけ船が自動化されていると言えるのである。
明らかに普通のテクノロジーではない。


通信で里香女史から話を聞いたが、どうもこの船はかつては宇宙を飛んでいた代物だという。
そして驚いたのは船長の服装である。 大英帝国の軍服と同じ、それはすなわち北白河の服装とも
同じである。 里香女史はそれは月人が着ていた宇宙仕官服であると言っていた。
船長に話を聞くと、自分は上人様からこの船を託されたと言う。 
恐らく、寅さんから頼まれていた姐さんとやらが持ち出した物であろう。


結構な量の補給物資が搭載されたのだが、何故か列車が幻想郷に飛び出すために使用している
燃料も提供していたのが大いに気になった。
もしかするとこの列車とこの発掘船は同じ技術で作られた物かもしれない。


船長は久々に肉が食えると満足げだったが、帰るまでそれは自分のことだという疑念は晴れなかった。
背中に担いだ鈍器で殴ってミンチにしてから食べる気なのではと思ってしまった。
幸い彼女は情に厚いようで良くもてなして貰えたのは良かった。


帰りがけ地殻の空域でデストロイヤーどもが暴れているという報告を受けたので
早々に引き上げることとする。
しかし空飛ぶ列車に乗るのはちょっと怖い。
できればパラシュートで降下した方がいいかもしれない。
結局無事で帰れたが、せめて羽とかなんかつけてくれと思うのである。