□月 ●日  No1134 相談するべき人は選ぶべきだ


薬屋から困った話を聞かされる。 
うちの会社の健康診断で糖が出たとか言う人に糖尿病の薬を提供するかどうか
という内容である。 言いたいことは分かるが顕界に糖尿病の特効薬が無い事を知っているので
確認のために私に尋ねたらしい。
結論から言えば個別の判断に委ねられているが、あまり前例を作るべきではないと考えている。


実際問題顕界で糖尿病を治すことは実質不可能である。
顕界における糖尿病の薬はあくまで血管の薬など発病後の症状を抑えるための薬ばかりとなる。
たいていの場合状況が悪くなって初めて生活改善するのだが、そのときには既に遅い場合が多い。
特効薬があるというなら飛びつきたくなるのは気持ちは分かる。
ただ個人的には幻想郷流に素食になれてしまうだけで概ね問題は解決しそうに見える。
というわけでその日は全く問題なかったのだが。


糖尿病が進行すると眼底出血を起こして失明したり、指などに壊疽を起こして切断なんて
ケースもある。 だがたいていの場合手遅れになるまで放置しているケースが多い。
人間の心根はなかなか治らないものだ。
大抵病気が発覚しても生活改善は最初だけですぐ忘れるのが大体のパターンだと思う。
急に運動しようとしても途中で心が折れるものだ。


ここまではよい。 まさかその人が聖大師様のところに拉致られるとは想定外だった。
聖大師様の弟子さんと言うべきか船長の話でおもわずため息が出る。
確かに聖大師様はいろいろ病気を治すことはできるだろうが、あの人に相談するのは色々間違っている。
何故かって、聖大師様の時代に既に糖尿病はあったのだ。
そして彼女だったらこう答えるはずだ。
贅沢病だと。
そして相手は仏門に仕える身であることを考えれば。
展開は一つしか考えられない。


前回も博麗の巫女が捕らえられたときも彼女を修行させて更正させようと思ったらしい。
思わずお願いしますと言いたくなったものだ。
結局、朝倉が引き取りに行っていろいろすったもんだあったが、後日有休を取らせて
ダイエット合宿することで手を打ったようだ。
とりあえず一つ言える事は
病気になったら正攻法で治療する方が色々楽だと言うことである。